【中学受験】母から見た慶應義塾普通部

慶應義塾普通部ってどんな学校なの?

とてもいい中学校ですよ。慶應義塾普通部に入ってよかったことを思い出してお話ししますね。

6年生で志望校が決まっていなかった

私が長男を慶應に入れたいと思ったのは、息子が小学校の6年生になったころでした。

6年生になってもまだ志望校が決まらず、ぐずぐずと悩んでいました。

そのころサピックスの個人面談があり、先生に「早慶どちらか」とお話しさせていただいた際、

「本当に決まっていないのですか?だったら、もしかしたら慶應が合っているかもしれません。」と言われたのです。

もちろん偏差値的には足りていませんでしたが、先生のお言葉は私を俄然やる気にさせました。

テンションMAXで帰宅した私は、早速家族に「慶應を狙おう」と話しました。私に載せられてすっかりその気になった主人と息子・・その日のうちに1日は普通部、3日は中等部を受験しようということに決めました。2日のSFCはちょっと通学時間がかかるということで、その時点では保留ということになりましたが。

そこからのサピックスでの学習は本当に苦しいものでしたので、その話はまた次回にして、ここでは長男の通った普通部の学校関連のことをお話ししたいと思います。

つまり、我が家の場合は6年生になってからバタバタと志望校を決め、秋になってから学校見学や説明会に行き、滑り込みセーフで普通部に合格をいただくことができたという感じです。私の勉強不足のせいで6年生は気が狂いそうに忙しくなってしまいました。学校見学などは4、5年生のうちに行っておくべきでした。

それにしても、優柔不断な私をやる気にさせてくれた先生には、本当に感謝しています。もし、先生からそのお言葉を聞けなかったらMARCHレベルの付属校に入っていたのではと思っています。

エスカレーター式ではない

入学してすぐ、1年生の時はクラスが10クラスに分けられます。1クラス24人でしたので、手厚い指導を受けられるだけでなく、先生も生徒もそして母たちもとても親しくなります。

息子が大学生になった今でも中1の時の母たちの親睦会は続いています。幼稚舎からの生徒も1クラスに6人ぐらいいるのですが、すぐに仲良くなりました。幼稚舎からの子は受験勉強をまったくしていない子もいるので、放課後先生に補習のようなことをしてもらっている子もいました。

しかし、成績は上位と下位に幼稚舎出身者、中間層が普通部からの生徒という感じです。幼稚舎出身の子はスポーツも抜群によくできたり、ピアノやバイオリンが得意な子も多かったですね。絵がとても上手だったり、書道が素晴らしかったり。必ず何かしら特技を持っている感じがしました。

中2中3は1クラス40人の6クラスになるのですが、2年生から3年生に上がれない子もいましたし、高校に上がれない子もいました。普通部は勉強をさせる学校です。決してエスカレーター式ではありません。

普通部での学習

普通部を志した人はご存知だと思いますが、入試問題から普通部の理科は他校に例をみない特殊な問題が出されます。

その姿勢は入学後も変わらず、理科は毎週のように実験の授業があり、レポートの宿題がよく出ます。それも2~3枚のレポートではなく、20枚くらいのレポートです。これは本当に辛かったと言っています。でも、今となっては徹底的にレポートの書き方が身に付くだけでなく、書く力もついて、大学になってもとても役立っていると言っています。

英語や数学の宿題もたくさん出ました。普通部に入ったらもう勉強しなくていいなんてことは、絶対にありません。

また、水泳やラグビーは体育の授業で大学の施設を利用します。大学を身近に感じられ、雰囲気も味わうことができます。

その他に音楽の授業ではクラシックギターを習います。これは、私がとても影響されて、息子と一緒に練習してすっかりハマってしまいました。これも普通部でよかったと思うことのひとつです。

労作展

6年生の秋に初めて労作展を訪れた際には、中学生のレベルとは思えない大作、力作ばかりで驚きました。

我が子がこのような作品を作るとは到底思えず、不安がよぎったのを覚えています。しかし、息子は「ここにする」とノリノリで、楽しい思い出になったようでした。

実際に入学してみると労作展に関しては、すごい子の作品が目立つだけで、目立たないところにフツーの作品も展示されていることが発見できました。基本的には夏休みの自由研究のような感じですが、夏休みだけでなく、年間を通してデータをとったり、3年間同じテーマで研究し続けた大学の卒論のようなものもありあす。我が子は労作展に関しては3年間イマイチな作品を発表し続けてしまいました・・・。

慶應義塾高校に入る準備

今思えば、慶應義塾高校に入る準備を普通部時代にみっちりとしていたような気がします。高校は18クラスもある超マンモス校ですが、外部から約半分、中等部から3クラス分、普通部から約6クラス分の生徒が入学するので、圧倒的に普通部のホームです。成績優秀者は普通部出身者が多いですし、医学部進学も普通部出身者が多いです。普通部生はよく勉強します。というかせざるを得ない環境により、本当に優秀な生徒が多く育つイメージです。

したがって、高校生活では外部生中等部生が必死でやっているのを横目に、普通部生は割と楽勝に過ごしていたような感じがします。

目路はるか教室

毎年OBを招いて講演をしてもらったり、職場見学をさせてもらったりする普通部の代表的な行事です。慶應義塾大学病院などに実際に行って、話を聞いたり、銀行に行って、実際に働いている先輩の姿を間近で見たり、レストラン経営者の方とそのレストランに食事に行ったりします。また、OBの方のお人柄が本当に魅力的で、笑いも交えながらビジネスについて上手に説明してくださるので、純粋な中学生はすっかり虜になってしまうのです。これは、非常に有意義で、将来の自分の姿を具体的にイメージすることができ、なりたい自分を発見できたと感激していました。

中学生のうちから将来像を具体的に描くことで、部活も大学の学部もすべて長期的なプランに基づいて検討し決定することができます。これは普通部でよかったと感謝していることです。

部活動

部活は、運動系と文化系両方に入る生徒が多いです。どちらもみんなとても一生懸命活動しています。母たちも一番親しくなるのは部活関係です。しかし、野球やサッカーなどメジャーな部活も平日は週に3回しか活動してはいけないので、そんなに強くありません。普通部生にとって一番大切なのは部活ではなく勉強だからです。

その他

母親の立場からの感想は、PTAという組織がありませんので、役員もいません。親が学校に行くのは年に5回の保護者会と労作展などの行事の時だけですし、 親たちに求められる役割はほとんどありません。

また、食堂があります。月曜日から土曜日まで毎日お弁当を作るのはちょっと疲れますよね。息子の場合はお友達と週に1回は食堂で食べようと、食堂の日を決めて一緒に食べていました。これはありがたかったです。

懇親会は在学中は何度もありました。クラスのものと、部活のものと。皆さん集まって、おいしい物を食べながらおしゃべりするのが大好きなんだと思います。卒業後は1年に1回になったので楽になりました。今でも続いていますが、随分出席者は少なくなったと思います。

まとめ

普通部について覚えていることを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。少し年月もたってしまったので、変わっていることもありかもしれません。

普通部は男子校なのでたくさんの男子の中でもまれて良くも悪くも男子の中で過ごすことに慣れます。中2の頃はちょっとキツめのイジリがあって、凹むこともありましたが、3年生になると慣れて楽しくなるそうです。女子から見たらくだらない、でも男子の中で大ウケするようなトークの面白い子もたくさんいます。男子校あるあるでしょうか。

それも塾高(内部生の中では慶應義塾高校のことを塾高と呼びます)に行くとすべてが役に立つことばかりです。

付属校でも勉強を頑張らせたいとお考えの方、普通部は宿題もたくさん出ます。どうぞ、志望校の一つに慶應義塾普通部も入れてみてはいかがでしょうか。